眼力社さん周辺散策
麓から眼力社さんまで歩いて約40分の参道。稲荷山二十景の名勝は四季折々の美しさで訪れる者を迎えてくれます。伏見稲荷大社の本殿から一周するとおよそ一里といわれるその山中には名跡が多く、すべての御神跡をお詣りすると半日ほどかかるでしょう。
ここでは麓から眼力社さんまでの半時間ほどの道のりをご紹介いたします。
本殿
伏見稲荷大社の本殿。稲荷造りと呼ばれ華麗な彫刻が施されているこの本殿は、応仁の乱で焼失した後に1499年(明応8年)に再建された国の重要文化財。本殿前の朱塗りの楼門は、豊臣秀吉が天正17年(1589)による建立。
千本鳥居
少し上り坂ですがほぼ平坦な参道沿いに、朱色の鮮やかな鳥居がすきまなく建てられてます。本当に千本あるのか数えてみましょう。足腰に自信がない方でもここまでは楽に来られます。入り口で二手に分かれていますが、どちらを行っても同じです。
奥社奉拝所
奥の院とも呼ばれる奥社奉納所。初穂料500円で白狐の絵馬に願い事を書き商売繁盛、家内安全、学徳成就などのご祈祷をしていただけます。また、願い事を祈念し灯籠の石を持ち上げたとき、思ったより軽ければ願い事が叶うと親しまれている「おもかる石」もあります。
奇妙大明神(膝松さん)
根が持ち上がって左右にわかれ、股のようになっている珍しい松。この股をくぐると商売繁盛と、腰の病や肩こり、神経痛が良くなるといわれています。投資家のあいだでは「値が上がる値上がり松」さまとして有名です。
伏見神寶神社
値上がり松さんの向かい側にある分かれ道が、神寶(かんだから)神社につながる参道。天照大御神様と稲荷大神様、十種神宝様を本殿にお祀りし、国内最古の神器、十種神宝の御守が奉安されているとされています。周囲が竹林に囲まれ竹取物語ゆかりの地として“叶雛”の信仰が密かに伝わります。
- 神寶神社の詳細
福繁大神ほか
木立の中に、福繁大神をはじめ大岩大神、白玉大神がお祀りされています。この辺りは石段が苔むしていますので、すべらないよう足下にご注意ください。
お手洗い
稲荷山のなかで一番整備されたお手洗い。これより先の公衆トイレは眼力社さんの少し先の「御膳谷奉拝所」までないので注意。水洗式でトイレットペーパーも常備し、かなりキレイなトイレです。みんなできれいに使いたいですね。
利用時間:午前7時30分〜午後4時20分
熊鷹社
一発勝負を賭けるときにお参りする方が多いといわれる熊鷹社。その裏の「こだまの池」は、ほとりで手を打ち、その反響する方角を捜すと、家出人や失跡者が見つかるのだそうです。
三ツ辻
熊鷹社から三ツ辻までは少し上り坂が続きます。参道の周囲には直径1mはありそうな大樹が立ち並び、木漏れ日が心地よい参道です。坂道に疲れたらお茶屋で休憩しましょう。
榎木大神、青木大明神
三ツ辻からの参道に榎木大神と青木大明神がお祀りされています。ここから坂道が急になります。無理せず一歩いっぽゆっくり歩きましょう。
瓢亭、大松大神
三ツ辻からのこの区間は坂道が急で、疲れる方のためか、お茶屋が多く、瓢亭もそのひとつ。坂はこの先もしばらく続きますが、まだまだお茶屋も多く疲れても安心です。
三徳大神、三徳亭
お昼時は昼食をとるお客さんで賑わう三徳亭。その向かい、龍の口から水が流れる手水の奥にお祀りされているのは衣食住にまつわる神様、三徳大神さま。漁業関係者の間では“大漁”を祈願にご利益があると伝わっていて東京の築地からのご参拝の方も多いのだそうです。
展望スポット
木立が途切れ頭上には青空が。そして眼下に伏見稲荷大社の境内越しに京都市内の南地域を望めます。天気が良ければ天王山は見えますが、ここからはあの有名な大文字の送り火は見ることはできません。
仁志むら亭
俳優の西村和彦さんの実家で有名な仁志むら亭。この辺りでは地図を広げる人、休憩する人がたくさんいます。夏はラムネのソフトクリームが、秋になるときな粉ソフトが食べられます。ここから眼力社さんへは三叉路の中央の道を進みます。
四ツ辻
展望スポットから鬱蒼と茂る木々の道を少し行くと、稲荷山の中腹に当たる四ツ辻です。展望スポットより広い眺めです。ここから下り坂を下りれば眼力さんです。
大杉大社
四ツ辻を過ぎれば道も平坦になり、周りは湿地で夏は水芭蕉がきれいです。途中、神様が大杉に降臨され、悪い病気を追い払らったと伝えられる大杉大社を過ぎれば、眼力社さんはもうすぐです。