七月の京都と言えばまず『祇園まつり』。
稲荷山の眼力社周辺は比較的空いています。
暑さが増してくる小暑
古くから日本では七夕を迎える頃に梅雨明けするものとされてきましたが、最近は異常気象のためその読みが当たらない年も多くなりました。旧暦ではこの頃を小暑と呼び、暑さが増して来る頃とされていました。
例えば衣類では浴衣を着てみたり、食ではそうめんやきゅうり、スイカなどの瓜類を食べて暑気払いしてみたり、この季節に合わせた定番の風習が昔からあります。稲荷山の茶店で販売されている甘酒も実は小暑を乗り切る定番の飲料です。 お山する時は帽子とタオルを忘れずにご持参ください。
夏はお子さんたちも一緒にお山してみませんか?
子供たちの夏休みが始まる7月末からを二十四節気では大暑と呼び、暑さのピークを迎えます。
この時期はお子さんを連れてお山してみませんか?暑い時期ですが、木陰で休み、また石段を登り、自分の足で目的地に到着する経験は成功体験になります。また子供のころから神社や信仰、日本の文化に触れておくことは貴重な経験です。
暑い、息苦しい夏の参拝。
しんどい思いをしてのぼった山上の景色は最高です。
長い梅雨が明け、青空が広がる七月。このところは猛暑、酷暑で外出を控える人も多くなっています。
そんな中、京都では祇園まつりが一か月かけて行われます。多くの観光客はそちらに流れるので伏見稲荷への参拝はこの時期がねらい目。暑くなる日中の時間帯を避けて早朝にお参りするのがお勧めです。夜明けも早いので午前6~7時ごろにお山するようにすればかなり人混みを避けられます。また熱中症にならないようにペットボトルを携帯し、首にタオルを巻き、帽子を被るなど、完全装備でご参拝ください。
この時期は蝉がうるさいくらいに鳴いています。雨上がりには森や土の香りが強く、マイナスイオンが発生していて森林浴に最適です。この香りを吸い込むだけでもご利益を感じられます。
夏の必須アイテム(ちょっとお知らせ)
稲荷山は池や小沢、水辺のある森林の参道を歩いていくため、この時期は蚊が出ます。腕や足首、顔までも刺されることがあるのであらかじめ対応策を準備しておきましょう。
お勧めは携帯用かゆみ止めです。小さいですが、このサイズで十分効きます。すぐに塗ることで腫れずに済みます。
刺されること自体嫌な方は携帯用蚊取り線香をお勧め。汗をかくので虫よけスプレーだけでは防ぎきれません。蚊取り線香の煙は前後左右1メートルほどバリアを張れるためまず刺されません。初めての場合は抵抗を感じますが意外と山の中では誰も注目しません。(本当です!)匂いはありますが煙はそんなに出ないので安心です。信仰の地に行くには格好より実用性重視間違いなしです。
軽々上がれば願いが叶う、おもかる石。
有名な千本鳥居を抜けたところに奥の院(奥社奉拝所)があります。ここにはおもかる石が置かれていて、石燈籠の上の丸い石を願いを込めて持ち上げ、軽ければ思ったより願い事が早く叶い、重ければ難しいと言われています。奥の院にはトイレもありここで用を足しておくことをお勧めします。
最近はインバウンドで海外からの観光客が多いので、QRコードが用意されています。インターネットに接続すれば英語での解説もされているのでここでは何をしたらよいかをほとんどの方が理解しています。
このあたりは古くから命婦谷(みょうぶだに)と呼ばれています。命婦とは宮廷に仕える女官の称号なのですが、それがいつの間にか神様に仕える眷属神=白狐霊に例えられるようになりました。我が家でも時々姿を見せてくださる眷属様なのですが大元はこちらから来てくれているのかもしれません。またそれにちなんだ白狐の絵馬もあります。参拝客によって描かれた一枚一枚顔が違う絵馬にそれぞれの個性が垣間見えます。
強い日差しをしのぎながら進む、夏の参道。
少し歩いていくと三ツ辻のお茶屋さんが育てている植物を見られます。夏場は瓢箪や朝顔がぐんぐん育っています。瓢箪は大阪城城主の豊臣秀吉の馬印。戦国時代の頃、美濃攻めに難航する織田信長に木下藤吉郎(後の豊臣秀吉)が城の背後からの奇襲を進言したことがあるそうです。 そのときに信長本隊に送った合図が 槍の先に付けた瓢箪だったとのこと。また秀吉自身も瓢箪好きだったそうで、いろんな形の瓢箪を収集していたという逸話が残っています。
三ツ辻の女将さんがこの話を知っているか否かは別として、伏見稲荷の楼門を秀吉が実母の病気の治癒祈願に建てていることと併せて考えれば、ここに瓢箪が育っていることにも趣を感じます。
日差しを凌いで、お山に住みついた猫が木陰で水分補給していました。稲荷山は落ち葉が多く、そのうえろうそくを使うので火災の確率が高い場所。さらに消防車が入れないという悪条件を兼ね備えています。このような赤い防火バケツはあらゆる場所で見かけられます。
眼力さんに到着しました
眼力さんに到着するといつものように手水の狐さんが湧水を口からこんこんと流していました。暑い夏の日のここの水は、ひんやりとしていて手を洗うと暑さを吹き飛ばしてくれます。
飲むことはできませんがこの水は開山された1300年前から湧いており、今も昔の修験者、参拝者たちと同じ感覚が味わえる数少ないスポットです。
手水の前にはひしゃくと鉢があり、その周りに青々と苔が生い茂っています。私たちが生まれるよりもずっと昔からこの地を知っている青苔には尊さを感じます。