


古くから、夏には疫病・天候祈願をする風習がありました

夏詣(なつもうで)の意味と、夏祭りの由来
夏越の大祓えは先払いの厄払い。

古来より日本国内では実は夏こそ願掛けが多い季節だったのをご存知でしょうか?その理由の一つは疫病の流行です。6月の梅雨に増殖したかびやウィルスが勢いをまして、井戸水や地中に繁殖し流行り病が広がり、それが夏が終わる8月末ごろまで続いていたそうです。もう一つは畑に害虫が発生し大切な稲を食べ尽くしてしまうほか、台風や干ばつがやってきてせっかく実った貴重な稲穂をダメにしてしまうからです。
当時の人々は目に見えないウィルスや害虫、突然やってくる台風を天や神の怒りと錯覚して恐れていました。当時は薬もなければ医者も足りておらず、気象予報士もいません。そんな中、頼るものは神社しかありませんでした。そこで神主さんか祈祷師を通して、どうかお怒りを鎮めてくださいと畑でできた作物をお供えし祈りを届けてもらいました。
現代では気象予報もでき、疫病は注射で予防できます。そのため真夏に神社に願掛けに行くことはなくなりましたが、神様はいつでも助けを求めてくる人に場所を開けてくださっています。伏見稲荷大社では6月の末に夏越の大祓えを通年開催していますが、これは残りの半年間も悪いことが起こりませんようにと先払いでお願いするお祓いの儀式なのです。それにあやかって、ひと気の少ない夏場こそ神様に願掛けに詣でてみませんか?
夏祭りの由来

祭りが行われる理由には諸説あり、実は恥ずかしがり屋の神様を人間が楽しそうに踊り騒ぐことで呼び出したなどもありますが、他にも稲の豊作や子供の健康など、病気と災害から守ってくださりありがとうございますという感謝の気持ちを届ける儀式でもあります。また昨年助けていただいた子どもが今年もこんなに元気にみこしを担ぐことができていますという神様への訴求でもあります。伏見稲荷大社では7月に本宮祭が執り行われ、日本全国の稲荷神社からの献灯があり、日頃の感謝を神様にお伝えします。
以下は他の年、同月の情報です。
標高の高さのおかげで気温は低め。ようこそ、夏の眼力社。

神社と言えばやはりお正月と二月など、初春に行くイメージが強いですね。そのせいか夏場は訪れる人がぐんと減ります。と、言ってもここ伏見稲荷は外国人が選ぶ日本の観光地、第一位を2014年以来連続で獲得し続けているため、昼間になるとそれなりに人出があります。
おすすめは午前中のしかも曇りの日。人のいない拝殿を独り占めしてお詣りできるのは他の季節にはない醍醐味です。ゆっくりと滞在するのが目的なら真夏の参拝が狙い目です。

眼力さんのお土産販売所もお客さんはがらがら。八月はお土産を選びたい人、ご店主さんと話したい人、ゆっくりお詣りしたい人が行く季節です。ただし節度を守ってご滞在ください。
酷暑が続くここ数年の日本の夏

ご存じの通り、最近の夏は連続晴天が続き日によっては40度超えになるなど、外に出るのが危険と感じられることがあります。そういう日を除いて、例えば曇天の日や台風後の風のある日が夏登山には最適。

ただし池の周辺や日陰には蚊が多いのでご用心。虫除けスプレーを吹き付け、アルコールの染みたウェットティッシュ、ボディシートを持参し途中で体をこまめに拭いておけば蚊が寄ってきません。小さなことですがこうしておけば下山まで快適に過ごせます。ゴミ袋として小さなコンビニ袋を持参してください。
眼力さんに到着しました

この日は昼頃に到着しましたが、拝殿を独り占めできました。お詣りするときの手順ですが、まず手水で手を清めたら服部さんからお供え物かろうそくを買い、拝殿に行き火を灯します。
お賽銭は静かに投入します。人によると大きな音を立てて投げ入れている人を見かけますがあれは間違いだそうです。鈴の緒を両手で持って鈴を鳴らし、二礼二拍。

手を合わせまずご自分の名前と住所を告げます。そして一番最初に日頃健康に生活していることや仕事があることに感謝の気持ちを述べます。先に頼み事をする人がいますがそれは間違い。まずは今生かしてもらっていることに感謝をします。
追い風と向かい風

神社でお参りをしているとたまに背中から風が吹いてくることがあります。このような追い風は神様にあなたの願いが届きましたよというサインだそう。反対に神殿から風が吹く向かい風はあなたの言うことを聞いていますよということだそうです。ちなみに眼力さんの拝殿は山の中腹なので暑い日でもどちらからか穏やかな風が吹いていることが多いです。
スズメバチが怖いのですが…
8月も後半になると出てくるのがスズメバチ。稲荷山も例外ではありません。月参りの方からメールを頂戴しました。

はじめまして。
いつもこちらのHPを楽しく拝見しております。今年の1月に初めて伏見稲荷を訪れご縁を頂き、眼力さんにもとてもお世話になっています。
月参りをしているのですが7月は家庭の事情で行けなかったので、今月こそお参りしたいと思っています。いつも稲荷山を一周するのですが、今の時期はスズメバチの危険性は考慮すべきでしょうか? 朝早くに行って清々しい空気を感じながらお山に登るのがすごく好きなんです。こんな質問で申し訳ございません。
じゅんこ
■回答
私自身は二十年以上通っておりますが幸い今までにスズメバチに遭遇したことはありません。しかしお店に電話で確認したところ、まれに巣を作っていることがあるようで、定期的に守衛さんが見回りをしてくれているそうです。巣を見つけたらすぐに駆除をしているので今のところ被害は出たことはないとのことです。
とはいえ、用心するに越したことはございませんので以下のような装備でお参りいただくのが賢明かと思われます。夏の稲荷山一周はなかなか大変かと思いますのでどうぞ水筒などをご持参ください。タオルも必要です。
1)蜂の攻撃を受けやすい黒い服は避け、白や黄色などの明るい色を着る。
2)髪の毛が長い人は帽子で髪の毛を隠す。
3)香水や整髪料など香りの強いものはつけない。
この度は貴重なご質問をいただき有難うございました。気を付けてご参拝ください。