●第三話●
あなたが持っている常識ともう一つ違う、さらに上。
最近私が見かけた旅行者に博多から来た女の子4人組がいました。「○○しと~と?」という方言にある茶店の女将さんが反応し「あれ?どこから来たの?」と声を掛けました。女将さんと女の子たちは一瞬にして仲良くなり、彼女たちも歓迎されたことに喜んでお店に入ってジュースを買ってしばし歓談に花が咲きました。
彼女たちが立ち去ろうとしたときです。一人の女の子が「あの、申し訳ございませんがこのペットボトルを捨てといてくれませんか?」と恐る恐る申し出ました。多分女の子にとっては自分の持ちうる最敬礼の言葉と態度でお願いしたのだと思いますが女将さんが一言、
「持ってきたゴミは持ち帰る!日本人の常識!」
とぴしゃりと断りました。
女の子は「分かりました。ごめんなさ~~い」と言ってバツが悪そうに足早に立ち去りました。私は女の子たち気の毒になぁ、気分を悪くせず観光を楽しんでくれればいいのだけどと思いました。
伏見稲荷大社、および稲荷山には全くと言って良いほどゴミ箱がありません。駐車場の一角に1カ所あるだけです。私は幸い通い始めた時にそのことに気付いたので山に登るときはコンビニの小袋を一つ持ってゴミ袋代わりにしています。
この女の子のようなことにならないように、どうぞ皆さんも自分で持ち込んだゴミは持ち帰るつもりでいてください。
KATO
- 第一話 ここは観光地ではありません。
- 第二話 観光ではなく修行に来てください。
- 第三話 あなたが持っている常識ともう一つ違う、さらに上。
- 第四話 お茶屋さんの抱える葛藤
- 第五話 年末の稲荷山
- 第六話 稲荷山は人を試す
- 第七話 神様はどんな人に興味を持つのか?
- 第八話 罰が当たるとき
- 第九話 外国人向け参拝の仕方
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