罰が当たるとき
神仏の罰が当たった経験はありますか?
私はあります。
それは稲荷信仰をはじめて間もないころ。神様がいるかいないかもあやふやなまま、私は森林浴程度に神社に行っていました。
当時は野良猫がお社の各所に住み着いていて、餌やりも野原側など場所を決めてなら、少しくらいなら暗黙的に許されていました。その時の私は参拝というより猫に会いに行っていたという感じです。にぼしやかつお節を少しビニール袋に入れて持ち歩いていました。
飢えてすり寄ってくる猫たち。その子たちに餌を与えていると手が汚れてしまいました。
私は手を洗うため、一番近い場所にあった手水(ちょうず)のひしゃくをもって洗っていると、通りがかった巫女さんが「だめですよ、使わないでください」と注意されました。
今ではもう一般客は入れなくなっている場所ですが、私は気づかず恐れ多くも本殿で一番古くからある由緒正しい手水で手を洗っていました。
そしてそのあと、夏だったので境内にある無料の休憩所の給水機でお水を飲んで帰宅しました。
夜八時をまわったあたりでしょうか?腹痛がひどくトイレに行くと嘔吐もしたくなりました。上から下から、嘔吐、下痢、嘔吐、下痢。とにかくトイレで座ったり、便器を抱え込んだりの繰り返し。これが翌日の夜の八時まで、きっちり24時間続きました。
その間、親せきが電話をくれたのですが私は1分と電話対応できません。すべての外界との連絡を取ることができず、トイレの中でもがき苦しみ続けました。幸いだったのは土曜の晩から日曜にかけてだったこと。脱水症状に苦しみ、救急車も呼べず、トイレに閉じこもって原因不明の腹痛でうんうんうなるだけ。
日曜の夜八時になりやっともう出すものがなくなったとき、これはもしや無料の給水機の水に当たったのでは?という思いがうっすらと脳裏に浮かび、思い切って社務所に電話しました。大勢の観光客が飲んでいたので私がこうなったのならほかにも被害者が出てるのでは?と思ったのです。恐る恐る電話で質問する私に事務員さんが不思議そうに返答を返してくれました。「いえ、、誰一人そんな苦情は出ておりませんが??」
そうですか…と歯切れの悪い返事をしてベッドに座り込んだ時にピン!とひらめきました。
手水です。わかりやすくきっちり24時間で終わらせたことも気になります。まるで気づけ、気づけよ~と言われているようです。そして水の害。水による罰であることを訴えているのです。
一日中同じ食べ物を食べていた家族には何の異変も出ていません。たった一人「使ってはいけない手水を使った私だけ」に水当たりの症状が起きました。
病院にも行っていませんのでこれがウィルスによるものか、天罰なのかは証明できません。 ただ私だけは深く深く納得し、反省したのでした。
KATO
- 第一話 ここは観光地ではありません。
- 第二話 観光ではなく修行に来てください。
- 第三話 あなたが持っている常識ともう一つ違う、さらに上。
- 第四話 お茶屋さんの抱える葛藤
- 第五話 年末の稲荷山
- 第六話 稲荷山は人を試す
- 第七話 神様はどんな人に興味を持つのか?
- 第八話 罰が当たるとき
- 第九話 外国人向け参拝の仕方